2002年春頃の話です。 

冷蔵庫PCに挑戦

自作PC歴3年。ついに手を出してしまった、というか
夏を前にしてやらずにいられなかった、水冷の上をいく冷却・・・ガス冷却。
今回は手初めから結末までを記述していきます。

もっと冷やしたい!

CPU水冷に成功してから、常温以下冷却を密かな野望としてもっていました。
気温以下に冷やすと、結露します。電気回路に水がつき、ショートすれば
その部品は壊れるかもしれません。
これが水冷の敷居を高くしているといえるでしょう。
しかし・・・気温自体が低ければ結露しないじゃんという志向で
冷蔵庫にパソコンを格納してしまうことにしました。

冷蔵庫か冷凍庫か。

以下の理由から冷蔵庫にしました。
というわけで、背の低いサーバーケース並の大きさな冷蔵庫を購入しました。

各パーツを格納

スタンダードなパソコンに必要なパーツを考えます。
大きく分けると以下の分類になるでしょう。
ケース丸ごとは入らないので(入りそうなヤツもありますが)部品むきだしで格納することにしました。
マザーボードの固定には玄人志向より発売の根性ためしまな板の上側だけを
(ATXケースの内側についてるマザーボードを固定する金属板のイメージ)使用しました。

ケーブル類を外側に。

まず、どうしても外側に出さなければならないケーブルを考えます。
上記ケーブルはどうやっても(冷却エリア内から外に)出すしかないでしょう。
線を出す穴は出来る限り小さくしないと、そこから冷気がもれる、または結露する要因である
高温多湿な空気が流入します。
まず、ドアパッキンを切り取ってケーブルを通そうとしましたが、冷蔵庫自体を傷つけたくなかったので
ドアを外して(ネジ止めしているドア固定金具を外せば簡単)ホームセンターで購入した発泡スチロール
穴をあけてドアの替わりにしました。

さぁパソコン起動だ

冷却ツマミを最強に。冷却盤の温度、マイナス20度。なかなかの冷え具合です。
2・3時間待って、庫内(と格納した部品が)冷えるのを待ちます。
頃合をみてパソコン起動。問題なし!普通に動いています。
万一、冷却盤についた霜が水になり、基盤にかかるのを防ぐため、発泡スチロールで冷却盤と電子基盤の間を
仕切ってしまいました。これで防水処理もバッチリ!!
しかし・・・

さらに水冷化

ものすごい冷却力をみせつけている冷却盤の恩恵をCPUにもっと与えたい!
そこで、冷蔵庫内にポンプを設置。2次冷却として、冷蔵庫の冷却盤を活用した水冷装置を導入しました。
しかし冷却盤の温度は通常5度〜マイナス28度を推移します。
熱が発生しない(パソコンの電源OFF)状態が長く続けば、通常の水では凍ってしまいます。
そこで、流体バッファとして、自動車のラジエータに入れるLLC(不凍液)をカー用品店で購入しました。

流動水の管を大きく

冷却水の凍結は回避できるようになりましたが、LLCは通常の水より粘度が高く、流れが悪くなります。
そこで、もっと大容量のポンプ&流水管に交換することにしました。
まずは全体の体積を確認(LLCを薄めるために要確認)するため水道水で管内を満たします。
ここでLLCを投入すればよかったのですが・・・

落胆の結末

冷却水が凍ってラジエータが圧壊!
漏れた水が水滴防止の板を乗り越えて電子基盤に到達しショート!
床中水浸し!
・・・こうしてガス冷却の野望は萎えてしまいました。
冷蔵庫や生き残った基盤達は処分しました。
誰も欲しがらない水冷用の部品が「兵どもが夢の跡」といわんばかりに虚しく残っています。
しばらく冷却に関しては、さわる気力が起きません(笑)
[←戻る]  [↑上へ]
ご意見・ご指摘等の連絡先:kc3da4@gmail.com